「ご、ごめんっ! おまたせっ!」

集合場所には、今日お泊まり会の約束をしている3人が揃っていて、慌てて車から駆け下りた。

集合場所を駅前から少しずらしてもらったのは、やっぱり黒塗りの高級車で目立ちたくなかったからなんだけど、それを言い出したわたしが遅れちゃうなんて……。

駅前で集合だったら無駄に歩かせることもなかったのに、歩かせておいて遅れるなんて、失礼過ぎるっ!

「全然大丈夫だよ!
遅れたって凛ちゃん、たかが2分くらいじゃない」

「そぉそ、気にしないで!
それよりお迎えありがとう!」

「中堂さん、お久しぶりです」

3人は口々に言って、わたしを笑顔で迎えてくれた。

突然風邪を引いてしまった翔護が心配だけど、
「凛、気にせず楽しんで」
と、携帯にメッセージをもらった。
わたしが翔護を気にして楽しまなかったら、きっとそれを翔護は気にするのだろう。
わたしはお泊まり会を楽しむことにした。