ベッドから降りて、お気に入りのふわふわスリッパに足を入れる。
ちょっと肌寒いな、と羽織るものを探すためにクローゼットを開ける。

一番手前に、綺麗に手入れされた制服がかけられていた。

「あ、お嬢様、お目覚めですか?」

「はい、田中さん!
着替えさせてもらっちゃって……。
ありがとうございます」

広間に出ると、田中さんがトレイに載せた紅茶を運んでいるところだった。
お礼を言うと、いえいえ、とにこやかな笑顔が返ってきた。

「お疲れでしたのね、お嬢様。
あ、奥様がこれから食後のティータイムなんです
ご一緒にいかがですか?
それともお食事になさいますか?」