髪をゆるく巻き終わると、あたしはカバンを持って玄関に向かった。 「お母さ~ん!!行ってきます!」 「早すぎるんじゃないの?行ってらっしゃい!!」 お母さんは、お父さんと優梨の朝食を準備しながら、あたしを送り出してくれた。 ――チュンチュン、チュン 道端でスズメが鳴いている。 道には誰もいなくて、開放感があった。 『この世界はあたしのものだー!!』なんて叫びたい気分。 なんか、今日のあたしはバカみたいだ…。 でも、いっそ清々しいかも。