「あ!茉優。実はさ、昂チャンに告白しようと思うの」
部屋に入って適当に座るなり、優梨がこう言った。
「うそでしょ!?」と思ったが、優梨はこんな冗談言わないと分かっていたから聞かなかった。
「それでね、ひとつお願いがあるの」
優梨が、あたしの顔を真剣に見つめて話し始めた。
嫌な予感がする。
「晃チャン、今日ずっと茉優の話してたの。晃チャンと茉優は、仲良い男友達みたいじゃない??だから、茉優から晃チャンに言ってほしいことがあるの」
ここで優梨は一息ついた。
だめだ。
今からされるお願いをあたしは断れない。
嫌だ――――。
「好きな人ができたから、これからちょっと距離置こう。って言ってほしいの」
「……、や、あっあたし…」
舌がうまく回らない。
優梨のお願いを断ろうと思えば、断れるのに。
なんでだろう??