「いや優梨。俺、茉優に」

「そうしようよ、茉優ちゃんは俺とまわろう?」


茉優の提案に、晃チャンが何かを言おうとしていたけど、昌平君がそれを遮った。

偶然。ではなく、おそらく、いや絶対わざとだ。



なんと意図があってそんなことをしようとしてるのかわからないが、あたしと2人になろうとしていることはわかる。


「じゃあ、そういうことで!晃チャン、行こっ!もしかして…、私より茉優とまわりたい…?」


そう言うと、優梨は大きな瞳をうるっとさせて晃チャンを見つめている。

晃チャンは、即座にやべぇという顔をして優梨の頭を撫でた。


「優梨、行こうか」

といって、優梨の手を引いてカフェを出て行った。