「座席、遠くなっちゃったね…。私たちはあっちをとったから」
結局あたしは昌平君におごってもらった。
そして、優梨たちの座席番号を見ると結構離れていた。
優梨があたしと昌平君に手を振って向かった座席は、あたしたちよりかなり前の方。
「茉優ちゃん、ほら始まるよ!!」
昌平君にせかされて、昌平君の横の席に座った。
そして、しばらくすると映画が始まった。
でも、優梨たちが気になる。
少し背を伸ばして、精一杯優梨たちの方を見ようとしてみた。
「んしょっ」
「あのー、茉優ちゃんなにしてるの??」
昌平君があたしを変な目で見ていたが、全く気にせず続けた。

