豪華にシャンパンで乾杯した後、岡野は続けた。

「どなたか、報告したい事はありますかー?」

来た!

 恒例のコレだが、俺はコレを待っていた。

「はい、はーい」

 岡野に向かい、俺は元気よく手を挙げたのだが……

「却下します」

 と、岡野に冷たく言われてしまった。

「そんな、ご無体な……」

 却下って、それはないんじゃないの?
 俺の苦労は、どうなるんだよ……

 俺がショックで打ちひしがれていると、

「バーカ」

 と田所は言い、

「趣味わるー」

 と上原は言い、速水は無言で俺を睨み、ふゆみは下を向いていた。ふゆみが怒ってるのか、あるいは笑いを堪えているのかは、分からないけれども。

「異議あり!」

 不意に元気な声がし、そっちを見たら、"広告の爽やかボーイ"こと、川田陽平が、真っ直ぐ手を挙げていた。

「か、川田君、どうぞ」

 なぜか岡野は噛み、赤面して同僚の川田に告げた。

「僕は聞きたいです。三浦君の、敗北宣言を」