籠のなかの小鳥は

小鳥は顔をふり向ける。

すっくりと天に手をのばすように建つ、五重塔。
その頂の、先端に宝珠をいだく七支の刹管が、中天にかかる太陽に重なっている。


「・・・日輪の形象を分つがごとき、五重塔の建つ場所と、かづらに、典侍に聞きました」


迦陵頻伽(かりょうびんが)。
皇統につらなる人々の眠る地。


「今日は、この方に呼ばれたような気がいたしまして」
碑に視線をうつして、珀斗が静かに口をひらく。

「皇女がお忍びなのですから、本当は宮中に詰めているべきなのでしょうが」

まさか皇女もこちらとは、と声を落とす。


「この方は———」
答えの予想はついているけれど、問うた。

「撫子の姫です。お聞き及びでしょうか?」

はい、とうなずく。