来たことはないけれど、 “視た” ことがある、その場所へ———
小鳥のうちから、枢(くるる)があらわれ、羽ばたいてゆく。その場所を探すために。
枢に、自分の番に導かれて、そこを目指す。
いくつもの荘厳なつくりの碑の前を通り過ぎる。
人の気配とてない。砂利を踏む自分の足音だけが、耳に響く。
「あぁ・・」
口の中で小さくもらす。
ここだわ。
たどり着いた。
ひっそりとたたずむ碑は、在りし日のその人をしのばせるのだろうか。
手入れの行き届いた様子に、わずかばかり心が慰められる。
その前で膝を折り、手を合わせる。枢もその瑠璃色の眼を閉じる。
小鳥のうちから、枢(くるる)があらわれ、羽ばたいてゆく。その場所を探すために。
枢に、自分の番に導かれて、そこを目指す。
いくつもの荘厳なつくりの碑の前を通り過ぎる。
人の気配とてない。砂利を踏む自分の足音だけが、耳に響く。
「あぁ・・」
口の中で小さくもらす。
ここだわ。
たどり着いた。
ひっそりとたたずむ碑は、在りし日のその人をしのばせるのだろうか。
手入れの行き届いた様子に、わずかばかり心が慰められる。
その前で膝を折り、手を合わせる。枢もその瑠璃色の眼を閉じる。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)