姫様———?
顔をうつむかせ、もの思いに沈む小鳥に、小少将が声をかける。
「・・・行きたいところが、あるのです」
意を決して、顔をあげる。
その場所を告げると、意外すぎたのだろう。二人とも考えあぐねる表情を浮かべる。
「姫様、そちらは・・・」
「わたしにも、無縁の場所ではないと思い・・・わがままは、承知です」
思いつめたような小鳥の表情に、なにか感じるところでもあったのだろう。
かしこまりました、とうなづいた小少将が、車副(くるまぞい)の者に行き先を告げた。
顔をうつむかせ、もの思いに沈む小鳥に、小少将が声をかける。
「・・・行きたいところが、あるのです」
意を決して、顔をあげる。
その場所を告げると、意外すぎたのだろう。二人とも考えあぐねる表情を浮かべる。
「姫様、そちらは・・・」
「わたしにも、無縁の場所ではないと思い・・・わがままは、承知です」
思いつめたような小鳥の表情に、なにか感じるところでもあったのだろう。
かしこまりました、とうなづいた小少将が、車副(くるまぞい)の者に行き先を告げた。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)