籠のなかの小鳥は

御簾ごしに、表を透かし見る。

見慣れたアスファルトの道路は、そこにない。
道幅はひろく、石畳で舗装されている。振れぐあいからすると、すき間なく均一に並べられているようだ。

大内裏からさほど離れていない、都の中心地だからだろうか。

家並みも、行き交う人も、みな清潔で目にうつくしく映る。

土地の一区画が大きい。背の高い建物が見当たらないので、女房に問うてみる。


すまし顔で、「二階屋などに住まうのは、下様の者なのです」と返ってくる。


二段ベッドと同じで、スペースに余裕がない=貧乏人という理屈になるようだ。


「特別に高く建てる、といえば天帝を奉る塔でございますね。
少しでも天の高みに近づくために」


そうか、だから———・・・