籠のなかの小鳥は

事情を知るのは、ごく限られた者と皇子たちのみ。


存在を殺し、外出する女房たちの間にはさまるようにして、誰にも気づかれず上東門脇の車宿りまでたどりついた。

こちらへ、と女房が物陰に小鳥をみちびくと、そこに背の高いひとりの男性とその番が待っていた。

身隠しの術をといて姿をあらわした小鳥に、近衛大将は戸惑うように目をしばたく。


初めて見る日嗣の皇女が、面(おもて)を扇で隠すこともせず、切袴と小袖姿であらわれるとは、思いもよらなかったのだろう。



小鳥は早蕨(さわらび)に視線をうつす。
「凛々しいお姿ですね」

朱雀ほどではないけれど、堂々たる番だ。それにくらべれば、枢など吹けば飛んでしまいそうに小さい。