籠のなかの小鳥は

「そ、そんな、そこまでしていただかなくとも・・・」

たかが外出なのに。


「分かっちゃいないな、番をもつ女はこの国にお前一人だというのに」

「蘇芳は本当は、皇女を塗籠にでも入れて、掛けがねをかけておきたいくらいに思っているのです。お気持ち汲んでくださいませ」


余計なことを口にするんじゃねえ、と蘇芳が噛みつき、珀斗はすました顔で、檜扇で口元をおおう。


小鳥の “お忍び” のために、わざわざ装束もあつらえることになった。
身は隠せても、長袴に単衣と袿の五重襲では、衣ずれの音が大きくかさばってしょうがない。

自分で絵まで描いてあつらえてもらったのは、いわゆる大正ルックをイメージした袴姿だ。