籠のなかの小鳥は

女房たちが都に外出する際に、小鳥がその中にまぎれこみまたこっそり戻る、というのが珀斗の提案であった。

「皇女はさいわいにして、身隠しの術がお使いになれるご様子。
最初に我らがお迎えにあがったときも、怯えて身を隠していらした」


「あれは・・・」
術というのだろうか。いつとはなしに気づいていた。

我が身を隠せと念じて伏せていると、本当に人の目から存在を隠せるらしいということに。
臆病な心根がなせる技が、思いがけず役にたつようだ。


表向きは、女官の都への用足しということにする。
外出ままならない姫様のために、女房たちがかわって文(ふみ)を届けたり、望むものを入手してきたりしているのである。


「仰々しく供や警護の者をつけてしまうと、かえって怪しまれましょう。
目立たぬように、ごく普通の網代車(牛車)で。かわりに高天から見護るようにいたします」