籠のなかの小鳥は

「黒の宮様は、白の宮様に劣らないほど優れた学識をお持ちです。
算博士や天文博士と、なにやら語らわれているとか。
ご興味がおありなのが、森羅万象や暦など、どうにも難しいことでございまして」


文官と武官、という役職がしめすように、この社会での学問といえば、まず文系だ。
理系はかなりマニアックな学問とされているようで、博士も文章博士の官位がもっとも高い。

理系にとって、不利な社会なのである。


「黒の宮様もあの通り、人と進んで交わるのを好まない性質でございましょう。
群臣のなかには、近寄りがたく思うものも・・・」
かづらは言葉をにごす。


昴は十七歳だ。もといた国でいえば、思春期、反抗期のまっただなかだというのに。
群臣に言動を注視されてあれやこれやと。つくづく、皇子様も楽ではないと思う。