籠のなかの小鳥は

かりそめの相手とはいえ、皇子たる人の添臥。
それなりの家柄と器量が求められる。


「その姫君は、撫子の姫と呼ばれておりました。年は白の宮様より、一つ二つ上でしたでしょうか。

宮家と申しましても、父宮様は番をもつ方ではなく。
さりとて世事に汲々とするでもなく、風雅を愛し生きておられるというような御方で。

撫子の姫は、その宮様がずいぶんとお年を召されてからの末の姫様で。
たいそうなお可愛がりだったそうですけれども、行く末を見届けることなく宮様は身罷られ、後を追うように母君様もまた———」


落ちぶれた宮家の姫君ほど、心細いものはないという。
財はないが、出自の高さゆえに宮仕えというわけにもいかない。