籠のなかの小鳥は

「白の宮様でいらっしゃいますか?
そうですねえ、まずお人柄へのご声望が篤く。おまけにご幼少のみぎりから、文章博士たちも舌をまくほどの学才をお見せになりまして」


さすが白の宮様、と珀斗を思い浮かべてうなづく。


残念ながら、と声を一段おとす。
「先帝の弟宮の御子でいらっしゃいますからねぇ」

嫡流を重んじる大和朝では、やや立場が軽くみられるという。


「母なる御方は、さる宮家の姫君ですけれど、有力なご後見があるというわけでなし。
ご本人も、いたって悠揚と構えていらっしゃって。帝の地位に欲をみせる、という様子がおありにならないものですから」


言おうかどうしようかと逡巡するそぶりを見せて、かづらは言い添えた。

「———白の宮様には何年も、想う方がいらっしゃるのです」