籠のなかの小鳥は

それにしても、いちばん年かさの珀斗でさえ、十九歳。
平成の世であれば、みんな大学生か高校生だというのに、参議として国の政治の中枢に日々身をおいている。

皇子様の暮らしは、優雅なだけかと思っていたが、現実はそう甘くない。


天皇や皇族、貴族の男性が国政を担うかたわらで、姫様とよばれる女性たちがなにをしているかといえば、これが基本なにもしない。


花鳥風月、四季の移ろいを愛で、詩歌をたしなみ琴などつまびいて日を送る。
ひたすらきらびやかに飾り立てられ、御簾の内側で大きな雛人形のごとくかしずかれている。

そうして、しかるべき殿方の訪れを待ち、家を盛りたてる子を産むのが、最大の仕事だ。


———それでいいのか、と現代の感覚で、つい思ってしまう。