籠のなかの小鳥は

託宣に依って、勅命が下る。
———日嗣の皇女を迎えに行かれたし


神代より伝わる神器、十六咫鏡。円周十六尺に及ぶという巨大な宝鏡だ。その霊力を以て異界と通じ、一人の少女を映し出した。

青龍、白虎、玄武、朱雀がその鏡面へ気を放つ。十六咫鏡が砕け散り、異界への口が出現する。


そうして教会堂に降り注ぐ、ステンドグラスの無数の破片。

皇子たちによって小鳥は探し出され、ここ大和国へ永の時をへて “帰還” した。


聞かされた小鳥はその情景を描いたのち、現実にたちかえって怯えた。


神器を犠牲にしてまで連れて来られた自分に、いったい何ができるというのだろう・・・