籠のなかの小鳥は

籠森の家系には、まれに普通の人には見えない、分身をもって生まれてくる子がいるのだと。
それは例外なく、女児である———


分身は、番(つがい)と呼ばれ、名を持つ。

枢(くるる)が枢という名であると、小鳥は気づいたら知っていた。小鳥が名付けたわけではなく、その名を持ってもう存在していたのだから。


「大叔母さんの番は、そうそう、小さなイタチみたいな姿だったねえ。見えないから触れるだけだったけど。用心深い子だったわ」
祖母は遠い昔を懐かしむように語った。

小鳥をひたと見つめるまなざしに、陰が宿る。


「小鳥、けっして枢の存在を人に知られてはいけないよ。それは、この世界のものではないのだから———」