籠のなかの小鳥は

異界に渡った、番の一族———


神話の時代のことであるから、諸説あるが。
一族の勢力争いに敗れて追放されたとも、新たな地平を求めて渡っていったとも伝えられている。


女児が誕生しなくなったのは、一族が二つに分たれたこと故。

番の力を受け継ぐ末裔の少女を捜し出し、一族をふたたび一つに成し、大和国をしろしめるべし。



小鳥が祖母から教えられた話が、そこに重なる。

祖母は、枢の存在を知っていた。

他の人と同様、番を見ることはできなかったけれど、枢に気づき、そして受け入れてくれた唯一の人だった。

「わたしの大叔母さんも、番を持っていたからねぇ」と。