籠のなかの小鳥は

「樹木を根こそぎ引き抜いて植えかえれば、どんなにいい土で水をやり手をかけても、根付くには時間がかかるものです。
ずいぶんと環境も変わられたことでしょうから」


いつも穏やかな物腰で、気づかいを欠かさない、白の宮こと珀斗の存在は大きな救いだった。
こんな親戚のお兄さんか、学校の先生がいたらよかったなと、ついつい思ってしまう。


「寂しくは、ないの?」

不意に青波に、柔らかな声音で問いかけられて、一瞬言葉につまる。


寂しい———

寂しい、というなら、いつもどこかで寂しかった。寂しさは自分の一部だった。

両親を幼いころに亡くし、育ててくれた祖母も、三年前に他界した。

遺産目当てで引き取られた親戚の家で、厄介者扱いされながら暮らしていた日々。

友とよべるのは、枢(くるる)のみ。