籠のなかの小鳥は

「挨拶はだいぶサマになってきたな」
蘇芳がどっかりと畳の上にしかれた茵(しとね)に座す。


「おぼえが早くていらっしゃる」
珀斗が涼しげな目元を細める。


「典侍がよく教えてくださるので・・」

いけません、とすかさず珀斗が檜扇を閉じる。

「あなたは皇女、典侍は女官です。教えてくださる、ではなく典侍から学んでいる、と」


「ぁ、すみません」
恥じてうつむく。

言葉そのものは、古風ではあるけれど、日本語だ。けれど使い方はやはり難しい。


「暮らし向きに不如意はございませんか」
珀斗が気づかうように問う。

「あ、はい」


「あるわけないだろう。これだけ至れり尽くせり面倒見てやってるのに」