籠のなかの小鳥は

「・・・お、おいでなさいませ」


ここへ連れてこられた当初は、自分で御簾をたくし上げて、いらっしゃいませと彼らを出迎えた。

四皇子と女房たちの唖然とした顔は、忘れられない。


本来であれば、身分の高い姫君は、御簾や几帳ごしに男性に対応するのものらしい。
決して顔は見せず、言葉もお付きの女房を介して交わすという徹底ぶり。


そんな伝言ゲームみたいな真似は、小鳥にはどうにももどかしく。
そもそも連れてこられたときにさらしている顔を、今さら隠すのも無意味ではあるまいか。


そのようなわけで、御簾内でじかに対面するようになったものの。

青波(せいは)にいわせると「興がそがれるものだなぁ」とのことだ。

女性とは、見えそうで見えない、届きそうで届かないところがいいのだとか。