籠のなかの小鳥は

あぁ!

我を忘れて駆け出し、ついでに裾をかまうのも忘れた。

思いきり踏んづけて、勢いのまま身体が前方に飛ぶ。

「——ッ!」

衝撃を覚悟した身体を、力強い腕が抱きとめた。


「ぁ・・」
視界が緋に染められる。


「ずいぶんなご挨拶だな」
口の端をつり上げて笑む、そのひと。

「蘇芳様・・・皆様」

顔をあげて四人の姿をみとめて、たちまち熱いものが頬を濡らす。


「夢では・・夢ではないのですね」
しゃくりあげながら、確かめるように蘇芳の狩衣の袖をにぎる。


「当たり前だろう。必ず戻ると言ったのを忘れたのか?」

彼の言葉に勢いよくかぶりを振ると、涙の粒が散った。