眠ることなどできず、永い夜がそれでも去ってゆく。
ひと晩流した涙で、枕が冷たくしめっている。
泣き明かして目がしぼんでしまった心地だ。さぞかしなご面相になっていることだろう。
こんなときであっても、恋しいひとに会いたい想いが消えることはない。
この顔を見せて、「ひどい顔だな」と笑ってくれたら。
手をのばしてそっと帳台の帳をまくってみる。
巻き上げられた御簾の向こうから、泣きはらしたまぶたのような薄紅の陽がさしている。
這い出て小鳥は祈る。
———お前の心はどこにあるんだ
いつぞやの昴の言葉が、耳によみがえる。
わたしの心は、この国にある。どうか、ご無事で———
かりに戦の勝敗が決したとして、その報せが宮中までもたらされるのは、早馬でも丸四日かかる。
待てない! そんなには———
ひと晩流した涙で、枕が冷たくしめっている。
泣き明かして目がしぼんでしまった心地だ。さぞかしなご面相になっていることだろう。
こんなときであっても、恋しいひとに会いたい想いが消えることはない。
この顔を見せて、「ひどい顔だな」と笑ってくれたら。
手をのばしてそっと帳台の帳をまくってみる。
巻き上げられた御簾の向こうから、泣きはらしたまぶたのような薄紅の陽がさしている。
這い出て小鳥は祈る。
———お前の心はどこにあるんだ
いつぞやの昴の言葉が、耳によみがえる。
わたしの心は、この国にある。どうか、ご無事で———
かりに戦の勝敗が決したとして、その報せが宮中までもたらされるのは、早馬でも丸四日かかる。
待てない! そんなには———



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)