籠のなかの小鳥は



寝つけないまま、小鳥は帳台のうちで寝返りをうつ。

胸がさわぐ。なにかが始まろうとしている。そんな直感がある。

内にいる枢(くるる)も、じっと目をこらし耳をすましている。


どんなに遠く隔てられていても、想いは通じる。

あの方たちに、戦の地に、なにが————


決戦の刻。
不意にその言葉が、胸に生まれ身体を奔り、小鳥ははっと目を開ける。

周囲には暗闇があるばかり。それでも自分には、枢にはたしかに視える。

夜の闇の中で、息を殺し気を研ぎすまし、じっと出撃の命を待つ数多の兵たち。

来るのだ、その刻が。

あぁ、と夜着のなかで手を組み身を丸める。


———どうか、どうか武運長久であらんことを・・・勝利を大和国へ、どうか・・・


ひとり祈り続ける。