とりとめとなく思考をめぐらせる小鳥の耳に、前触れの声が告げる。
———四皇子様、お渡りにございます
女房たちの、ため息やささやきが、そこかしこから漏れる。
年老いた女官など、「あんなにも綺羅綺羅しい公達のお姿を、四方も目にいたしまして、寿命がのびる心地でございます」と涙さえこぼしたとか。
たしかにそれぞれが、個性の異なる整った容貌の持ち主だとは思うけれど———
御簾をはねのけるように、緋の衣があらわれ、視界をあざやかに染める。
あわてて手をつき、頭を下げる。
———四皇子様、お渡りにございます
女房たちの、ため息やささやきが、そこかしこから漏れる。
年老いた女官など、「あんなにも綺羅綺羅しい公達のお姿を、四方も目にいたしまして、寿命がのびる心地でございます」と涙さえこぼしたとか。
たしかにそれぞれが、個性の異なる整った容貌の持ち主だとは思うけれど———
御簾をはねのけるように、緋の衣があらわれ、視界をあざやかに染める。
あわてて手をつき、頭を下げる。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)