籠のなかの小鳥は

「わたしの案をもとに、昴が算術の博士や工人たちと、強度や構造の工夫を重ねて完成したものです。ちなみにこれは模型でございます」


「実戦で用いる樽の大きさは、これの二倍。槌のほうはこれの三倍の大きさのものを、秘密裡に作らせた」
昴が言いそえる。


「樽は二重構造になっております。内側の樽には油を満たし、外側の樽に油を含ませた布を巻いてあります。二重にするのは、すぐに引火しないようにするため。
これに火を点け、上空から砦の内部へ落とします」

ぴしりと、檜扇で見取り図の砦を指す。


「上空からということは、番で運ぶわけだな」
蘇芳が確かめるように、言葉をはさむ。


左様、と珀斗。
「かなりの重さがありますから、玄武と青龍でそれぞれ二、三個を縄でぶら下げて運びます。
砦の上空から火矢にて火を点け落とす、と、落下の衝撃で引火、炎上という仕組みです。

火矢を射るのは、蘇芳が適任かと。あいにくと、わたしの弓の腕は女官といい勝負なもので」