籠のなかの小鳥は

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「この一戦で、攻め落としましょうぞ」珀斗が厳かに告げる。


幕舍にて一同、広げられた砦の俯瞰図を囲んで見下ろしている。

「どう落とすつもりだ?」蘇芳が問う。


「少々熱い思いをしてもらいましょうかね」
檜扇を口元に押しあてる。

「火と槌です。冬の間に実験を重ね、準備しておりました」


火と槌(つち)、と青波がくりかえす。

あれを、と珀斗が軍師のひとりに命じる。


ほどなくして、ガラゴロと音をたてて、なにかが運ばれてきた。
布をかぶせられ、全貌は隠されている。

運んできた兵が、かけられている布を取り去った。

ひとつは、荷車に乗せられ布を巻かれた樽。ぷんと油の臭いが鼻をつく。
もうひとつは、突き出した太い柱と鉄の甲を備えた車だった。


「なんだこれは」
蘇芳が胡乱げなまなざしを向ける。

「火炎樽と破壊槌です。いうなれば攻城兵器ですね」


「攻城兵器とは頼もしい響きだな」
青波がつぶやく。