———*———*———
「———とはいえ、そう簡単には落とせますまい」
戦地の幕舍にあってさえ携えている檜扇を、珀斗がかるく振る。
「もともと我が軍の砦が落とされたのは、夷狄が数多の兵の命を捨て駒にしたからこそ。
迎撃すれどもすれども、人海戦術で、堀を埋め、足場を組み梯をかけ、攻め上ってきた。
同じ真似を、我が軍の兵にさせるおつもりであれば、話はべつですが」
「犠牲は最小限におさえねばならない。かといって、どう攻めるか」
蘇芳が腕をくみ、低い声を出す。
「夷狄の側の補給路を断つのが、現実的じゃないかな」
と青波。
「敵軍も死にものぐるいで防戦してくるでしょう。そこで———」
軍師、参謀ら幕僚を交えての軍議は長い時間に及んだ。
「———とはいえ、そう簡単には落とせますまい」
戦地の幕舍にあってさえ携えている檜扇を、珀斗がかるく振る。
「もともと我が軍の砦が落とされたのは、夷狄が数多の兵の命を捨て駒にしたからこそ。
迎撃すれどもすれども、人海戦術で、堀を埋め、足場を組み梯をかけ、攻め上ってきた。
同じ真似を、我が軍の兵にさせるおつもりであれば、話はべつですが」
「犠牲は最小限におさえねばならない。かといって、どう攻めるか」
蘇芳が腕をくみ、低い声を出す。
「夷狄の側の補給路を断つのが、現実的じゃないかな」
と青波。
「敵軍も死にものぐるいで防戦してくるでしょう。そこで———」
軍師、参謀ら幕僚を交えての軍議は長い時間に及んだ。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)