籠のなかの小鳥は

まるで春の訪れを告げる使者のように、戦地からの報せは大和軍の勝利を伝えるものばかりになった。

宮中も喜びに沸きたち、人の少なくなった内裏はそれにも勝る活気を取り戻した。


「実家のゆかりのものが戦傷により、戻ってきたのですが」
女房のひとりが訳知り顔で口にする。

「大和軍は冬の間、新たな兵器の考案や、軍備の補強をおこたりなくしていたそうでございます」


数にものをいわせて押してくる敵軍を、ことごとく打ち破っているという。

「なんと頼もしい」

誰の顔にも喜色が満ちている。むろん小鳥もである。

その気運のうねりは、夷狄がついに平地から軍を撤退させたことで、最高潮をむかえた。
敵は砦に兵を集結させ、籠城戦の構えをみせているという。

あと一息、と誰もが思った。
砦を奪還するのだ。