籠のなかの小鳥は

そう、もといた世界となにが違うのかといえば、この世界の人々は、番が見えるのである。


今まで自分にしか見えなかった。
生まれた時からともにあった、自分のかたわれ、分身である、番の———枢(くるる)。

枢の存在こそが、小鳥がこの大和の国へ連れてこられることになった理由だ。



番(つがい)の一族はその名のとおり、番をもつ者であり、この国を統べる皇族を意味する。

番をもつ男性のみが皇位継承権を持つが、皇統にあっても番をもって生まれるとは限らない。


言い換えれば、絶対的少数である番の一族が、臣下、民草にいたるまでを支配している国家、ということになる。


それほど番の力が圧倒的であるからこそ、何千年も続いているということなのか———・・・