籠のなかの小鳥は

「南天の枝を、こちらに貸してくださいな」
小鳥は女房に声をかける。

実と葉をいくつかちぎって、ちょんちょんと丸めた雪につけてゆく。
実は目に、葉は耳に。

「まぁまぁ」
女房たちから声があがる。

高欄にうさぎがちょこんと三羽ならんでいる。

「雪うさぎというの」

「可愛らしいこと」


あの方がごらんになったら、なんと仰るかしら。
凍てる指先でうさぎをそっと撫でて、想いはそこへ流れつく。

「どうせなら鳥を作れ」とでも言い出しそうだ。
その声が聞けるなら、指がしもやけになろうと、いくつでもこしらえるのに。


へだてられた刻が長くなればなるほど、想いはつのるばかりだ。


戦は膠着状態だという。冬将軍が到来し、さすがに両軍とも思うように動けずにいる。

陣は引かず、春まで睨み合いになりそうだ。


「決戦は春ですわね」女房のひとりがぽつんともらした。