籠のなかの小鳥は

制空権を奪い、砦に迫るも、敵兵も精強で雨のように矢を射かけてくるので、近づくのは困難だという。

玄武が敵の一隊を切り崩し、大将の首をあげる武勲をたてたこと。
負傷した兵を見捨てずに、背に乗せて帰還したという白虎。


胸を熱くし、あるいは涙しながら、小鳥はそんな報せをむさぼるように聞いた。


自分にもなにかできることがあれば・・・心は戦地へさすらってゆく。


傷病兵の看護なんかはどうしているのかしら。
野戦病院のような施設はあるのかしら。

さすがにそこで働きたいと口にするような無謀な真似はしないけれど。

それとなく聞いてみたところ、やはり看護師にあたるような職業はなさそうだ。


ちなみにクリミア戦争でナイチンゲールが戦場の天使と呼ばれるようになるまで、看護師は職業として認められていなかったらしい。

病人の世話は、卑しく不潔な労働でしかなかったから。

底辺労働を白衣の天使たらしめた。
時空を超えて、ナイチンゲールの偉大さに頭を垂れる。