籠のなかの小鳥は

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大内裏朝堂院 大極楽殿 朝政———


四皇子様方はいかがなされた、

どなたもお姿をお見せにならぬとは、

いったいなにが、

そういえば、兵部卿も欠席のようだが、


参議の者がひそひそとささやき交わす。


大極楽殿はむかって正面に帝のおます高御座が設けられ、御簾がなかばまで下ろされている。

その左右に向かいあって、参議の座す席が位階の順にならぶ。
中央は白木の板張りの床だ。

その帝に最も近い位置にある四つの茵が、いずれも空席だ。異様といえる事態。


いかにも気乗りしなげに帝が高御座につき、歯抜けの状態でとりあえず朝政が始まる。


やにわに、大きな音をたてて扉が放たれた。

なにごとかと皆一斉にそちらをふり返る。

なにか大きな塊が、続けざまに投げこまれる。派手な音をたてて、ゴロゴロと床を転がる。

その正体を見てとるや、場に衝撃と動揺が走る。

それは、人。縛り上げられた血まみれの三人の男。
いや、正確には種族が異なる。彼らの背には、これも縛られてはいるが、羽が生えている。