一見それは、きらきらと宙を舞う儚い銀細工のようにも映るのに。
「こいつは見た目は優美なのに、意地が悪いんだ。誰かに似たのかな。
あ、暴れないほうがいいよ、もう逃げられないから」
それでも無駄な抵抗をつづけたのち、しまいに諸碍たちは三つの巨大な繭玉の様相をていした。
みじめに青龍の五つ爪の先にぶらさげられる。
「蘇芳くん、一人あげるから、姫君をこちらへくれない?」
にこりと笑う。
誰が、と蘇芳が小鳥を腕に閉じこめる。
「一人運んでやるよ。三人はいささか重そうだ」
朱雀が強靭な趾で、首領の男の両腕をがっしりつかんで運ぶ。
青龍は二つの繭玉をぶら下げて、二体の番は意気揚々と並んで飛ぶ。
「なにかしゃべるかなぁ、こいつらは」
「知られたくないことがあるからこそ、捕らえられまいとしていた。戦闘能力といい、隊の統制といい、かなりの精鋭だ」
「ただの物盗り夜盗の類じゃないってわけか」
「有用な使い途は、珀斗が考えるだろう」
「こいつは見た目は優美なのに、意地が悪いんだ。誰かに似たのかな。
あ、暴れないほうがいいよ、もう逃げられないから」
それでも無駄な抵抗をつづけたのち、しまいに諸碍たちは三つの巨大な繭玉の様相をていした。
みじめに青龍の五つ爪の先にぶらさげられる。
「蘇芳くん、一人あげるから、姫君をこちらへくれない?」
にこりと笑う。
誰が、と蘇芳が小鳥を腕に閉じこめる。
「一人運んでやるよ。三人はいささか重そうだ」
朱雀が強靭な趾で、首領の男の両腕をがっしりつかんで運ぶ。
青龍は二つの繭玉をぶら下げて、二体の番は意気揚々と並んで飛ぶ。
「なにかしゃべるかなぁ、こいつらは」
「知られたくないことがあるからこそ、捕らえられまいとしていた。戦闘能力といい、隊の統制といい、かなりの精鋭だ」
「ただの物盗り夜盗の類じゃないってわけか」
「有用な使い途は、珀斗が考えるだろう」



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)