籠のなかの小鳥は

一見それは、きらきらと宙を舞う儚い銀細工のようにも映るのに。


「こいつは見た目は優美なのに、意地が悪いんだ。誰かに似たのかな。
あ、暴れないほうがいいよ、もう逃げられないから」


それでも無駄な抵抗をつづけたのち、しまいに諸碍たちは三つの巨大な繭玉の様相をていした。
みじめに青龍の五つ爪の先にぶらさげられる。


「蘇芳くん、一人あげるから、姫君をこちらへくれない?」
にこりと笑う。


誰が、と蘇芳が小鳥を腕に閉じこめる。
「一人運んでやるよ。三人はいささか重そうだ」


朱雀が強靭な趾で、首領の男の両腕をがっしりつかんで運ぶ。

青龍は二つの繭玉をぶら下げて、二体の番は意気揚々と並んで飛ぶ。


「なにかしゃべるかなぁ、こいつらは」

「知られたくないことがあるからこそ、捕らえられまいとしていた。戦闘能力といい、隊の統制といい、かなりの精鋭だ」


「ただの物盗り夜盗の類じゃないってわけか」

「有用な使い途は、珀斗が考えるだろう」