籠のなかの小鳥は

こうしたかった、ささやく彼の声を聞きながら、ひたすら恥ずかしさに蘇芳の狩衣に顔をうずめる。


顔が赤いのを夕陽のせいにできたらいいのに。まさか上空何百メートルの場所で、こんな・・・
だいたい拒むことなんてできないのに。

それでも、それなのに、卑怯ですと訴える気にはならない。

嫌だと思っていないから。それがちょっぴり悔しい。


「時空まで超えて手に入れたんだ。離すわけないだろう」


言われるまでもなく、自分の運命はとうに決まっていたのかもしれない。


甘やかな息苦しさが、何度となくくり返される。

「・・・ン」

頭がくらくらするのは酸欠だからか、それとものぼせきっているせいか。


「・・赤の宮様、もう———」

「名前で読んでいいぞ、許す」


名前。彼の名前・・・・

「———蘇芳、さま」

「そうだ」
彼が満足げに、笑んでいる。

この瞬間を、忘れない。

「まあ、ゆっくり息を整えろ」

悔しいことに、彼は余裕だ。