籠のなかの小鳥は

目に映るすべてが、雲も、眼下に広がる都も、小鳥自身も赤く染まっている。

あざやかに燃えるその日を追うように、朱雀はどこまでも進む。


「!」

突然、小鳥のうちから、枢が羽ばたき出た。
精いっぱい羽を広げて、朱雀の隣を飛んでいる。


枢・・・飛びたいのか、この空を、朱雀とともに。

白い羽を夕陽の色に染めて、懸命に羽ばたく。こんな高みも、こんなに速くも飛んだことなどないのに。

朱雀がすこし速度をゆるめるのが分かった。

きゅっ、と蘇芳の衣を握りなおす。


俺は———

視線をまっすぐ前方にすえたまま、蘇芳が口を開いた。

「俺は、この国を統べる。お前を連れて」


同意など求めていない。彼の宣言だ。


今さらながら知る。
このひとは———この国を見ているのだ。すべてを超えたところから。


宮様、と小さな声で問うた。
「わたしでは足手まといではありませんか?」

「お前しかいない」
太陽から目をそらすことなく、蘇芳が断じる。