籠のなかの小鳥は

さて、というように珀斗が檜扇をとじる。

「———よもやと思いますが、昴、聞き耳をたてている者はおりませぬか?」


「玄武で探った。潜んでいるものはいない」

犬の属性をもつ玄武は、鼻がきく。気配は殺せても、臭いは消せない。


緊張感、という目に見えない帳(とばり)が四人をつつんでいる。


「———毒、なのか?」
口火を切ったのは昴だった。


ああ、と蘇芳がのどの奥で低い声を出す。
「宮中で出された昼餉に盛られた」


「意宇(おう)の毒です。並の人間ならばとっくに墓の中、と薬師が言っておりました」


「大膳職で作らせる膳なら、毒味をしているのではないか?」
昴が疑問を口にする。


「内密に調べさせました」
感情を押し殺すように、珀斗が答える。


毒は、料理ではなく、盛りつけられた皿に仕込まれていたという。

大膳職の大夫は、ひたいを地にこすりつけながら、問われるままに述べた。