籠のなかの小鳥は

あしたぐさ、と小鳥はくり返す。


「今日折れても、明日また立ち上がるから明日草という名になったそうです。別名、赤茎です」
茎に赤いすじが入っていますでしょう、と手にした明日草を見せる。


「まあ、赤の宮様が喜びそうな名前ですね」
小鳥はにっこりする。


はい、と弼が勢いよくうなづく。

「赤茎といい明日草といい、縁起のいい名だと、蘇芳様も召し上がられます」

ある意味、地産地消だ。

「それに生命力の強い草ですから、とても滋養があるのです。皇女様が摘まれたものなら、蘇芳様はなおのこと喜ばれると存じます」


蘇芳は口にしてくれるだろうか。
自分が彼のためになにかできることがあるなら、と小鳥はせっせと手を動かす。

虫食いのないやわらかな茎の先を探しては、摘みとって籠におさめていった。