籠のなかの小鳥は

きゅっと彼の単衣をにぎって、うつむく。と、視界すみにちらつく赤い色に気づいた。
白い枕辺に一点の赤。


とっさに頭をよぎったのは、喀血だった。

だが、次の瞬間には気づいた。

「宮様・・・それは———」
間違いない、自分が赤い千代紙で折った鶴、だった。


「お前が俺の快癒のために作ったのだろう。ありがたくもらっておく」
これのせいか、昨日からすこぶる気分が良い、と満足げだ。


珀斗と蘇芳の心遣いが、ただただ沁みいる。


「腹が減ったな。朝餉を用意させるか」
蘇芳が弼(たすく)を呼ぶ。


そういえば現金なもので、安心したらとたんにお腹がすいてきた。


「お前のほうこそ、痩せたんじゃないか?」
小鳥の顔をつくづくのぞきこみ、蘇芳が問うてくる。


「自分では分からないのですが・・・」
頬に手をあてる。

たしかにここ数日、食べ物がろくに喉をとおらない状態だった。


「まぁせっかく来たんだ。ゆっくり逗留してゆけ。弼ならお前のいい遊び相手になるだろう」