籠のなかの小鳥は

本当によかったのか、と自分の胸に問いかける。

それでも———それであっても、ふつふつとこみ上げてくる喜びがある。


蘇芳に会えるのだ。会いたい、と心底想う。
自分が誰かに会いたいなどと強く願ったことが、今まであっただろうか。

亡くなった両親と祖母をのぞけば、自分をとりまく世界は小鳥にとって恐怖でしかなかった。

学校では、よくて “不思議ちゃん” であり、悪ければ “変なヤツ” だった。
不穏分子、はみ出しものとして生きてきた。

枢だけが心のよりどころだった。

———だけれどそれは、と気づく。

いや、とうに気づいていた。なのに認めたくなかっただけだ。


枢は自分の番、自分の分身だ。枢しか愛せないということは、つまるところ自分しか愛していないということだ。


それではだめだ、それではだめなのだ。

だからこそいま、自分のうちからこんなにも強く、誰かに会いたいという気持ちがわき出ていることに、小鳥自身驚いていた。