籠のなかの小鳥は

・・・ッ・・!・・


速い! なんて速さ。

本当に地に足を着けているのだろうかという速度。
白虎はあまり飛行を得手とせず、地を駆けることを良くすると聞いてはいたけれど。


頬にあたる風は切れるほどだ。少しでも気を抜いたら、振り落とされてしまいそうだ。


迅く、そして音もなく駆ける。門も塀も屋根も、一足で跳び越えてゆく。

禁中の警備の者が、ぽかんとこちらを見上げるのが、一瞬視界をかすめる。


日嗣の皇子たる珀斗の番ならば、早朝に内裏を強硬突破しても言い訳はつくのだろうけど。(蘇芳は、よく朱雀で宮中に飛来するときく)

それでも珀斗に負担をかけていることにかわりない。


わたしのわがままで————

詫びるように、白虎の首に顔をこすりつける。


まだ眠りのなかにある都の大路を、銀白の風となった白虎が駆ける。いくつか角を曲がり、いくつか建物を跳び越えただろうか。