二人の気配に、縁の下からすぅと現れたものがある。
白虎。珀斗の番。美しく堂々たる銀白の虎の姿。
ひらりと音もなく、濡れ縁にその身をのせる。まるで重さがないような、その動き。
お乗りなさい、というように輝く背をむける。その背には、透きとおる羽衣のような翅。
肢を折って身を落とす白虎の背に、おっかなびっくりまたがった。
背に腹ばいになるように乗り、長く密なたてがみの生える首に両手を回す。
白虎が小鳥の身体を支えるように、翅を閉じ合わせる。
「姫様、しっかりおつかまりなさいませ。白虎は四獣のなかでも最も迅き(はやき)番でございますれば」
なかば白虎の後頭部に顔をうずめて、うなづく。両の手がやっと回せるほどの太い首だ。
喉のところで手をしっかり組み合わせる。
我が身を隠せ、我が身を隠せ―――そう念じる。
姫様のお姿が見えなくなりましてございます、とかづらが静かに告げる。
白虎のうちで力がたわめられ、そして———地を蹴った。
白虎。珀斗の番。美しく堂々たる銀白の虎の姿。
ひらりと音もなく、濡れ縁にその身をのせる。まるで重さがないような、その動き。
お乗りなさい、というように輝く背をむける。その背には、透きとおる羽衣のような翅。
肢を折って身を落とす白虎の背に、おっかなびっくりまたがった。
背に腹ばいになるように乗り、長く密なたてがみの生える首に両手を回す。
白虎が小鳥の身体を支えるように、翅を閉じ合わせる。
「姫様、しっかりおつかまりなさいませ。白虎は四獣のなかでも最も迅き(はやき)番でございますれば」
なかば白虎の後頭部に顔をうずめて、うなづく。両の手がやっと回せるほどの太い首だ。
喉のところで手をしっかり組み合わせる。
我が身を隠せ、我が身を隠せ―――そう念じる。
姫様のお姿が見えなくなりましてございます、とかづらが静かに告げる。
白虎のうちで力がたわめられ、そして———地を蹴った。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)