籠のなかの小鳥は

皇女にそのようにご心痛をおかけして、申し訳ございません。とまず珀斗はわびた。

表情には、いつになく硬く張りつめた色がある。


「白の宮様・・・」
両の手を胸のところで固くにぎって、はやるばかりの鼓動を抱えながら、続く言葉をまつ。


「———原因が、分からないのでございます。まだ床を離れぬ状態で」
なにか大きなものを飲みこむように、目を閉じた。


「そんな・・・」


「皇女、蘇芳が心身ともに靭き(つよき)者であることは、わたくしがよく知っております。
どうぞお気を強くお持ちください」


「わたしになにか、できることはないのでしょうか?
見舞いの文を書いてもよろしいでしょうか」


もちろんでございます、と珀斗はようやくわずかばかり表情をやわらげる。
「皇女がお顔をお見せになれば、それがなによりの薬なのでしょうけどねぇ」