餅を食べ終えた少女が、満足そうに吐息をひとつもらす。
今宵はまた違う菓子を用意するから、楽しみにしてほしいな。そう言うと、ぱっと顔を輝かせる。
女性の心をつかむにはまず甘いものだと、誰に教えられずとも分かる。性分というやつだろう。
女性を喜ばせるなど、たやすいこと。
青の宮様になびかぬ女性などおりませんわ、と口々に人は言う。
そうだろうけれど———少し違う。
他の三人は、望めばできるのにやらないだけだ。女性の歓心を買うことに、興味がない。
あの、“生まれながらの宮様” たちは。
自分はちがう。“臣下上がりの宮様” だから。人が無条件に自分にかしずき、もて囃してくれるとは思っていない。
いかに父も母も皇族の出自とはいえ、自分の生まれが臣籍だったのは、変わらぬ事実。
それであるのに日嗣の皇子としてあらねばならないとは、どんな運命のいたずらなのか。
今宵はまた違う菓子を用意するから、楽しみにしてほしいな。そう言うと、ぱっと顔を輝かせる。
女性の心をつかむにはまず甘いものだと、誰に教えられずとも分かる。性分というやつだろう。
女性を喜ばせるなど、たやすいこと。
青の宮様になびかぬ女性などおりませんわ、と口々に人は言う。
そうだろうけれど———少し違う。
他の三人は、望めばできるのにやらないだけだ。女性の歓心を買うことに、興味がない。
あの、“生まれながらの宮様” たちは。
自分はちがう。“臣下上がりの宮様” だから。人が無条件に自分にかしずき、もて囃してくれるとは思っていない。
いかに父も母も皇族の出自とはいえ、自分の生まれが臣籍だったのは、変わらぬ事実。
それであるのに日嗣の皇子としてあらねばならないとは、どんな運命のいたずらなのか。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)