籠のなかの小鳥は




すぐ隣で、うっとりと目を細めて豆餅を口にふくむ少女を見つめる。

異界から連れてきた “日嗣の皇女” 。

艶麗薫ゆりたつ美女といった風情とは違う。まだあどけなさが残る、愛らしい少女だ。

鈴を張ったような目に、ふっくらとした頬、透けるような白い肌。
まずまず当世風の美少女に当てはまる見目だ。

連れてこられた当初は、かたくこわばっていた口元が、愛らしくほころび白い歯をみせるようになるさまは、こちらの胸を熱くさせた。


髪の長さは物足りないが、それも見慣れれば髪を伸ばしはじめたばかりの童女を思わせる。

そう、彼女はこの世界に生み落とされたばかりのひな鳥なのだ。

練り絹のようにしっとりと艶をもち、やわらかく背にたれる髪が、伸びゆく先を見つめていよう。


いちばん好もしいのは、この少女が自分の愛らしさにまるで無自覚なところなのだけど。
教えてやるほど、自分は優しい男ではない。