籠のなかの小鳥は

どうぞ、これはあなたのものだ、と小鳥の手をとり皿が渡される。
その手をなかなか離そうとしない。


青の宮様・・・・と、ためらいがちに手を引く。

「ごめん、あなたがあまりに可愛らしいものだから、つい」
すっと手が離れる。


女性たちが彼に夢中になるのも分かる気がする。


四皇子は、宮中の女性の人気の的だ。女房たちは、寄ると触ると皇子たちの話題に花を咲かせている。

「さきごろ渡殿をお渡りの青の宮様と、目がお合い申し上げましたの」

「まあ、なんという重畳」

「笑みかけてさえいただいて、心の臓が止まるかと」

「うらやましきこと」


カッコいい男の子の話で盛り上がっていたクラスメイトの姿を思い出す。
どの世界も変わらないなと思いながら。

現代語にすれば、

「あたしさっき廊下で、青波くんと目が合っちゃった」

「えー、やったじゃん」

「笑ってくれて、もうドキドキだったー」

「ちょー羨ましいんですけど」

といったところか。気づけばずいぶんと大和言葉にもなじんできた。