籠のなかの小鳥は

いいのですか、と口では言いながら、皿を取り出している小鳥である。


「そのために持ってきたんだから。女房たちの分も、あとで届けさせるからご心配なく」

女性への気配りが行き届いた宮様である。


「・・・青の宮様は召し上がらないのですか?」

皿と楊枝は一つずつしかない。


「あなたの後にでも、いただこうかな」
と笑む。

さ、どうぞ、とうながされて餅を一切れ口にする。

じわりと口に広がる餅の甘みと、ほろりととろける柔らかさ。そこに塩気と歯ざわりをそえる赤豆の取り合わせ。


口が幸せ。これを口福というんだろう。


ここには、ケーキもフラペチーノもないけれど。製菓の技術はそれを補ってあまりあるほど、高い。